特定使用成績調査: 非弁膜症性心房細動における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制

XaPASS:特定使用成績調査の最終報告

試験概要

XaPASS:特定使用成績調査の最終報告

イグザレルト特定使用成績調査の最終報告(2012年4月18日~2019年9月15日時点の調査票収集・データ固定症例での集計)
COI:本研究は、バイエルの資金により行われた。

目的

イグザレルトの「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制」に対する使用実態下における安全性・有効性に関する情報収集

 

対象

非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制を目的としてイグザレルトを投与された患者。2019年9月15日時点で調査票収集・データ固定された症例は10,777例であった。

 

方法

EDC(Electronic Data Capture)を用いた「中央登録方式」。イグザレルト投与開始から2年間を標準観察期間(評価時期:6ヵ月、1年、2年)、その後、最長5年間を予後調査期間とする。

 

  • 症例構成
症例構成

評価項目
出血性副作用、心血管関連の有害事象(虚血性脳卒中、心筋梗塞等)の発現状況など

判定基準
重大な出血は、2g/dL以上のヘモグロビン量の低下を伴う出血、2単位以上の輸血(濃厚赤血球又は全血)が必要な出血、重要な臓器における出血、死因となった出血とした(ISTH基準)。
非重大な出血は、重大な出血の定義に該当しない顕在性出血とした。
脳卒中は、脳血管障害による24時間を超えて残存する突発的な神経症候とした。
全身性塞栓症は、臨床・画像診断的に動脈閉塞症との関連がある突発的な血管不全とした。
心筋梗塞は、典型的な症状に加えてトロポニンIなどのバイオマーカーが正常値上限を超える、二つ以上の連続する心電図の誘導で新たな異常Q波が認められる、剖検で確認された場合とした。

解析計画
数値は、症例数、解析対象症例あたりの症例の割合(%)又は解析対象症例あたり、単位年あたりの症例の割合(%/年)で表示した。

患者背景(安全性解析対象症例:10,664例)

患者背景(安全性解析対象症例:10,664例)

イグザレルト特定使用成績調査の現状報告(2012年4月18日~2019年9月15日時点の調査票収集・データ固定症例での集計)
COI:本研究は、バイエルの資金により行われた。

出血性副作用および心血管関連の有害事象の発現状況
(平均投与期間:890.9±700.4日)

  • 出血性副作用発現状況
出血性副作用発現状況
  • 心血管関連の有害事象発現状況
心血管関連の有害事象発現状況

J-ROCKET AF(国内第III相試験):承認時評価資料、Hori M et al. Circ J 2012: 76: 2104-2111
COI:本研究はバイエルの資金により行われた。また、著者にバイエルより講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。

イグザレルト特定使用成績調査における年齢別発現状況

  • 年齢別の出血性副作用および心血管関連の有害事象発現状況
年齢別の出血性副作用および心血管関連の有害事象発現状況

7. 用法及び用量に関連する注意
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉

7.1

クレアチニンクリアランス30~49mL/minの患者には、10mgを1日1回投与する。

7.2

クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者には、本剤投与の適否を慎重に検討した上で、投与する場合は、10mgを1日1回投与する。

8. 重要な基本的注意(抜粋)

8.4

抗血小板剤2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)

9.1.2

低体重の患者
出血の危険性が増大することがある。

9.2.1

腎不全の患者
投与しないこと。成人を対象とした国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15mL/min未満の患者は除外されている。

9.2.2

重度の腎障害患者
本剤投与の適否を慎重に検討すること。本剤の血中濃度が上昇することが示唆されている。国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者は除外されている。

9.2.3

中等度の腎障害のある患者
本剤投与の適否を慎重に検討すること。成人ではクレアチニンクリアランス30~49mL/min、小児*ではeGFRが30~60mL/min/1.73m2の患者で本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており、出血の危険性が増大することがある。

9.8

高齢者
一般に腎機能などの生理機能が低下している。なお、非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第Ⅲ相試験において75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し、重大な出血及び重大ではないが臨床的に問題となる出血の発現率が高かった。

*小児については、静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制のみ適応を有する

本結果は、XaPASSの最終報告です。
結果の詳細は、「イグザレルト特定使用成績調査の最終報告(非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制)」をご参照ください。