JACRE:医師主導型多施設共同前向き登録観察研究
カテーテルアブレーション周術期におけるイグザレルト、ワルファリンの有効性及び安全性

テキストが入りますテキストが入ります

研究デザイン

目的

日本人非弁膜症性心房細動(NVAF)患者において、カテーテルアブレーション(CA)周術期のイグザレルトおよびワルファリンの有効性・安全性を探索する

対象

CA施行が予定されている20歳以上のNVAF患者で、3週間以上前からイグザレルト/ワルファリンが投与されている連続症例

方法

JACRE:医師主導型多施設共同前向き登録観察研究|研究デザイン - 方法

主要評価項目

CA施行後30日以内の血栓塞栓症および重大な出血の複合

副次評価項目

CA施行後30日以内の血栓塞栓症/重大な出血/非重大な出血

解析計画

患者背景の比較には、Pearsonのχ2検定またはFisher正確確率検定、連続変数ではMann-WhitneyのU検定を用いた。また、イグザレルトコホートではヘパリン有無別のサブグループ解析、ワルファリンコホートではワルファリンの中断有無別のサブグループ解析が事前に規定されており、イベントの比較にはLog-rank検定を用いた。

判定基準

血栓塞栓症は、TIA、脳梗塞、その他の全身塞栓症を含む血栓塞栓性合併症とした。重大な出血は、ドレナージが必要な心膜液貯留(心タンポナーデ)、外科処置が必要な穿刺部の血腫、その他の輸血が必要な出血性合併症とした。非重大な出血は、侵襲的処置が必要ない出血性合併症とした。

COI

本研究はバイエルの支援により行われた。
また、著者にバイエルより講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。

Okumura K et al.: Circ J 2016; 80: 2295-2301. COI:本研究はバイエルの支援により行われた

患者背景

JACRE:医師主導型多施設共同前向き登録観察研究|患者背景の表

検定方法:† χ2検定、§ Mann-Whitney U検定

Okumura K et al.: Circ J 2016; 80: 2295-2301. COI:本研究はバイエルの支援により行われた

周術期管理の詳細

  • イグザレルトコホートにおいて、ほとんどは15mg投与で、ヘパリンブリッジは48.8%(術前29.6%、術後37.9%)に実施されていた

JACRE:医師主導型多施設共同前向き登録観察研究|周術期管理の詳細の表

検定方法:† χ2検定、‡ Fisher正確確率検定

Okumura K et al.: Circ J 2016; 80: 2295-2301. COI:本研究はバイエルの支援により行われた

JACRE-Rの結果

JACRE:医師主導型多施設共同前向き登録観察研究|JACRE-Rの結果の表

検定方法:Log-rank検定
* 主要評価項目:血栓塞栓症および重大な出血の複合

論文中に有害事象に関する記載はありません。
安全性に関する情報は電子添文をご参照ください。

Okumura K et al.: Circ J 2016; 80: 2295-2301. COI:本研究はバイエルの支援により行われた

JACRE-Wの結果

JACRE:医師主導型多施設共同前向き登録観察研究|JACRE-Wの結果の表

検定方法:Log-rank検定
* 主要評価項目:血栓塞栓症および重大な出血の複合

Okumura K et al.: Circ J 2016; 80: 2295-2301. COI:本研究はバイエルの支援により行われた

CA施行時のイグザレルトの投与状況(JACRE-R)

  • CA施行前日、翌日のイグザレルト投与の多くは朝投与であった。

  • CA施行当日のイグザレルト投与の多くは、術後投与であった。

JACRE:医師主導型多施設共同前向き登録観察研究|CA施行時のイグザレルトの投与状況(JACRE-R)の表

Okumura K et al.: Circ J 2016; 80: 2295-2301. COI:本研究はバイエルの支援により行われた

Limitation

  • JACRE-RとJACRE-Wは異なるコホートであり、無作為割付していない。

  • 両コホートは、同じ施設での連続症例を登録したことで、選択バイアスは最小限にしているものの、患者背景は異なる。また、ワルファリン使用例が減少している等の理由から、登録例数も異なる。これらの違いが結果に影響を与えた可能性がある。

  • イグザレルトの投与は1日1回朝投与が大半であったが、様々なパターンが存在した。

  • JACREに参加した42施設がCAに習熟した施設であったため、主要な合併症の発現率が低値であった可能性がある。

Okumura K et al.: Circ J 2016; 80: 2295-2301. COI:本研究はバイエルの支援により行われた